日本聖公会 神戸教区ホームページです。このホームページにはキリスト教信仰に関わる情報が集約されています。

主教からのメッセージ

アンデレ便り6月号:スコットランド・イングランド聖公会巡礼の旅

2012年6月1日

 5月9日(水)、総勢38名が、神戸バイブルハウス主催のスコットランド・イングランド聖公会巡礼の旅に出かけましたが、礼拝の情報や受入態勢を関係各位にお願いした関係で、なつかしい人たちとの再会も実現しました。

エジンバラとコベントリー

「皆様、こんにちわ、私はヘレン・パーカーと申します。これから教会でお世話になりますが、宜しくお願いいたします。」 今から約25年前だったでしょうか、イギリスから広島大学に留学し、初めて広島復活教会の門をくぐったヘレンは、信徒の前で照れくさそうに挨拶しました。彼女はその後、早稲田大学で勉強し、英国で学位を取得した後、エジンバラ大学日本学の教授に就任しました。そのヘレンが属するエジンバラ大聖堂での夕の聖餐式に出席した5月10日(木)夜、ホテルで彼女と再会。広島でお会いしたこともあるご両親は、ご高齢となり、来月、エジンバラに転居されるとのこと。ヘレンは日本の古典舞踊や宝塚歌劇を研究しており、東京新歌舞伎座のこけら落としの公演に来日する予定で、再会を約束しました。
  ヘレンが産まれ育った家の隣には、戦前、神戸教区に宣教師として派遣され、帰国後、USPGの神戸教区留学生基金の英国責任者となり、60ー70年代、神戸教区から英国で勉強した神学生・聖職が大変お世話になった、ストロング司祭のご令嬢パメラさんが、ウイリアムスさんと結婚して、偶然にも、住んでいたのです。次の日の昼、第二次世界大戦中、ドイツ軍の空爆で聖堂が破壊されたコベントリー大聖堂で、ご主人と一緒にやってきたパメラさんと再会、共に和解の祈りを献げ、大聖堂での聖餐式に出席しました。聖餐式が始まる前、コベントリー教区ワーウィック地区、ジョン・ストロヤン主教が、歓迎の挨拶をされました。4年前のランベス会議では同じ聖書研究グループに属し、約1か月の間、顔を合わせた仲です。

オックスフォードとウインチェスター

 13日の日曜日、11時15分、英国聖公会で唯一、カレッジチャペルと大聖堂が同居する、クライストチャーチ大聖堂の主日礼拝に出席。双子の子どもの洗礼式もあり、父親はカレッジ卒業生です。従って、チャプレンが司式・説教。この後が大変でした。午後3時半に始まる、ウインチェスター大聖堂の詠唱晩祷に是非とも出席したい旨、大聖堂には連絡済なのですが、世界不思議の一つ、ストーン・ヘンジ見学も予定に入れたのです。車中、サンドイッチをほおばり、道をそれてストーン・ヘンジへ。言い忘れましたが、この日、もう一つビッグイベントが予定されております。午後3時から、サッカー・プレミアリーグ優勝をかけて、同率首位のマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティーの試合が、別々のグラウンドで行われるのです。後半戦だけでも、テレビ観戦可能でしょうか。足早にヘンジ見学を終えた結果、大聖堂には10分遅れで到着。大聖堂では、私たちの到着を今や遅しと待っていてくださり、スムースに予約席に案内してくださいました。礼拝での圧巻は、聖歌隊が歌ったアンセム “Worthy is the lamb”でした。ヘンデルのメサイア、第二部終曲の「ハレルヤコーラス」はつとに有名ですが、第三部終曲の “Worthy is the lamb”(屠られた子羊はふわさしい方です・ヨハネ黙示録5章12節)は「アーメンコーラス」とも呼ばれており、聖歌隊はこの曲を見事に歌いあげ、感動しました。今年4月21日に主教に聖別され、この教区主教に着座されたティム・ダキン主教は、日本聖公会宣教150年記念礼拝にCMS代表として参加された方です。次の日、桃山学院創立50年式典出席予定のティム司祭を大阪までお連れしました。英国聖公会の主教選考委員会が、歴史と伝統を保持するウインチェスター主教に、ティム司祭を選出したことに驚きの声をあげました。礼拝の後、パブに入りテレビを見ますと、ロスタイム5分で2得点を挙げ、劇的な勝利をあげたマンチェスター・シティーが優勝し、選手が万歳三唱している場面が放映されておりました。

 カンタベリーとロンドン

 14日(月)午前10時過ぎ、私たち一行は、巡礼の目的地である、カンタベリー大聖堂に到着しました。午後1時前、地下礼拝堂で聖餐式を行いましたが、式に先立ち、大聖堂参事(キャノン)クリストファー・アービン司祭が挨拶されました。「ようこそ、カンタベリー大聖堂にいらしてくださいました。この大聖堂は、全世界聖公会の心棒ともいうべき場所です。アンドリューとは、ケラム神学校の同級生です。彼は実にサッカーがうまかった。」と私を紹介しました。ずっと以前、バーミンガムのアセンション・カレッジの校長、ウインゲート司祭が神戸にやってきた時、教区からの留学について、神戸市内の中華料理店で話し会いました。話のなかで、同司祭がリンカーン神学校出身であることがわかり、ケラム神学校とのサッカー試合では敵同士で戦っていたことがわかりました。ケラムはリンカーンに大勝しましたが、ウインゲート司祭は、「サッカーはケラム、勉強はリンカーン。」とジョークを飛ばしました。クリストファー・アービン司祭はオックスフォードのセント・スティーブンハウス神学校校長を務め、カンタベリー大聖堂に赴任した神学者で、専門は礼拝学です。
  次の日、ロンドンに到着し午後3時、カンタベリー大主教の公邸、ランベスパレスを訪問。ここにはグレゴリー与子美さんも待っていてくださっており、通訳をお願いしました。図書館には、1549年、1662年祈祷書など、貴重な資料が展示されており、見学の最中、主教数名が慌ただしく部屋を行き来しております。引退を表明した大主教であっても、問題山積だということがよくわかります。帰り際、大主教夫人にばったり会うというハプニングもありました。
  午後5時、ウエストミンスターアベイの詠唱晩祷には、ファーガソン芙美子さんの顔も見えます。式後、アベイのキャノン、アンドリュー・トレムレット司祭が握手を求めにやってきました。昨年6月、この場所で二千名以上の関係者が出席して執り行われた、東日本大震災犠牲者記念礼拝の準備を担当した人物です。
 英国巡礼の旅は無事に終わりましたが、信仰の旅は道半ばです。いつかは目的地に着くでしょう。天国と呼ばれる旅の終点で神に出会うため、信仰の戦いは続いているのです。