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主教からのメッセージ

アンデレ便り8月号:オルガン献金達成

2013年8月1日

 被献日(2月2日)から聖霊降臨日(5月19日)まで実施された、パイプオルガン購入及び維持管理のための800万円献金は、教会や教区の皆さま、関係諸団体及び企業のご賛同により830万円が献げられました。昨年までの献金を加えて、4,000万円はパイプオルガン購入・設置費用に、500万円は維持・管理費用に充てることができました。  1959年に聖別された聖ミカエル大聖堂50周年にあたり、記念事業の一環として耐震工事を実施し、併せて、将来パイプオルガン購入を想定し、設置場所の補強や音響効果を高めるための工夫、防音窓の設置などの改修工事が2010年9月に完了しました。しかし、この時点では、パイプオルガンは夢のまた夢でした。
  工事終了後、大聖堂を訪れた外国人司祭に、「この場所がパイプオルガン設置予定場所です」と言いますと、「パイプオルガンには反対です。日本には聖堂に見合った適切なパイプオルガンを見たことがない。」とおっしゃるのです。約2週間後、英国から私に手紙が届きました。それは、「ジーザス・クライスト・スーパースター」などで有名なアンドリュー・ロイド=ウェバー氏からでした。先ほどの司祭の親戚に当たる方です。「電子オルガンの方が様々な音を出すことができますよ。ロンドンのオール・ソウルズ・チャーチを見なさい。現代にマッチした、多様な音楽を奏でるためには電子オルガンは最適なのです。」 オルガン設置について多くの人から意見を伺いましたが、殆どの返事は「ノー」でした。それも無理からぬ話です。4,000万円は不可能と思える金額と映るのです。

 2011年3月11日の東日本大震災勃発で、救援活動が最優先事項となり、パイプオルガンどころではありません。翌年、パイプオルガン選定委員会が設置され、パイプオルガンの必要性や選定作業が開始されました。何故、購入を急ぐ必要があったのでしょうか。近い将来円安にふれてくるのではないか、と危惧したからです。当時、1ポンド130円を推移しておりましたが、円安が進行すれば、パイプオルガンはまさしく高嶺の花です。
  2012年2月までに、パイプオルガン購入に賛同する数名の人たちと教区内2教会から計3,000万円の献金が献げられました。しかし、このお金を手元に置いていても、円安になってしまえば、元の木阿弥です。一計を案じました。ロンドンに本部を置く、全聖公会中央協議会事務局秘書室長グレゴリー・与子美さんに事務局口座使用を依頼しました。ティム・トリンブル財務部長は、神戸教区の支払い事務を肩代わりしなければなりませんが、「神戸教区パイプオルガン基金口座」を設けてくださいました。後日700万円の送金も完了し、オルガンビルダー支払い分約3,700万円分のポンドが確保できました。現在、ポンドは157円を推移しておりますから、オルガン価格は4,470万円となり、約700万円の節約となりました。
  製作会社は英国マンダー社に決定されましたが、ミカエル大聖堂に相応しいパイプオル ガンにするためにはストップをもう1つ増やす必要があり、パイプ数も992本から1,022本 と増加します。貴い献金を有効に使うためには値下げ交渉をする必要があるのです。
  2012年5月、神戸バイブル・ハウス主催の英国巡礼の旅にかこつけて、ロンドン滞在中に抜け出して、大東主事と共に市内のオルガン工房に赴き、社長と直談判です。今回は、先述の与子美さんの夫であるジョナサン・グレゴリー氏の助言が不可欠です。ジョナサン・グレゴリー氏は、1994年から2010年まで、レスター教区大聖堂音楽監督を務められた方で、有名なオルガン奏者でもあります。マンダー社近くの地下鉄駅で落ち合い、駅近くの小さな公園のベンチに座り、迎えが来るまで、見積書の検討です。値引き目標は300万円ですが、グレゴリー氏は、「Contingency・緊急事態対応費」の項目に注目しました。総額は4~5万ポンドであり、この項目で交渉の余地がある、との判定です。交渉の結果、社長は、職人滞在費を教区が持つことを条件にし、私たちの案を受諾し、実質的には、300万円の値引に成功しました。

 昨年度教区会では、パイプオルガンに相応しいオルガニストを選定することができませんでしたが、その後、竹内司祭の進言で、ロンドン王立音楽院オルガン科修士課程を卒業され、ロンドンやパリで10数年演奏活動を行い、ビザの関係で帰国した、徳山聖マリア教会信徒井原由紀さんの名前があがりました。パイプオルガン委員会からの推薦と常置委員会の決定により、正式に大聖堂招聘オルガニストとして就任していたくことになりました。奇しくも井原姉はロンドン王立音楽院オルガン科では、ジョナサン・グレゴリー氏の後輩にあたります。
  このように、パイプオルガン設置に至るまでの3年間、多くの人たちの支援と協力がありました。パイプオルガン説明会では、辛い思いをした人もおられましたが、この人たちの存在があったからこそ、神戸聖ミカエル大聖堂にふさわしいパイプオルガン設置が可能となったのです。
  9月29日の聖ミカエルの日、パイプオルガン奉献式を実施しますが、1,022本のパイプはどのような音を大聖堂で奏でるのでしょうか。今から楽しみです。

 

佳知晃子姉に感謝!

 昨年10月30日、神戸聖ミカエル教会信徒佳知晃子さんが天に召され、神戸教区にマンション2棟の遺贈を受けました。常置委員会では、「ステイツ逆瀬川・宝梅マンションは、1,900万円で売却し、売却に関わる経費を差し引き、教区施設維持基金に、グランアーク王子公園のマンションは、神戸教区主教館とし、教区の基本財産とする」ことを決定し、所有権移転登記が無事完了しました。
  2005年度教区会開会演説で私は、「聖ミカエル国際学校は新校舎建築を計画しております。学校の経営基盤を強化し、教育の存続をはかるのが主な目的です。この計画が実施されれば教区は主教館・寄宿舎を失うことになります。主教の住居確保が必要ではないかとの声を多方面から聞きます。今詳しいことは述べられませんが、わたしの責任において在任中に主教館を確保することを確約し、問題の解決を図りたい所存です。」と述べました。
  当時の教区会代議員・議員の、主教のことばに対する信頼と理解を得て、主教館跡地には3階建ての校舎を建築することができました。8年前の約束を今、果たすことができましたことを神に感謝しております。